日本で食べた世界飯

日本にいながら世界旅行!現地に行った気分でペロリと美味しくいただきます

タンドールバル カマルプール / 東京都木場

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先日の三燈舎での体験をスーに話すと、自分も北インドのカレーしか知らないので南インドカレーを食べてみたいという。そこで今回は木場にある人気カレーバル「カマルプール」に予約した。ここは人気ドラマ「孤独のグルメ」でも取り上げられた店だ。深夜の夜食テロということで名高いが、まさにそのとおりで、放送時は美味そうなインド料理の数々にいちいち身悶えした。いつか行ってみたいという私の願望と、南インドを体験したいスーの願望、両方を満たすのにちょうどよい。

当日は錦糸町で用事があり、かつ8月の健康診断で運動不足を指摘されたので、木場までの3kmを歩くことにした。慌てるのが嫌いなので18時の木場駅集合に対し、17時10分に錦糸町駅を出発する。ゆっくり歩いても余裕で間に合うペースだ。
歩いたことがない道を歩くのはとても楽しい。初めての街を意気揚々と歩いていたら、スーからLINEが入った。その内容に、私の目は点になってしまった。

「すいません、17時半の待ち合わせに遅れそうです」

アッ!となった。そうだった。木場駅での待ち合わせは17時30分、お店の予約が18時だ。時計を見ると17時25分で、その時いる場所は錦糸町と木場のちょうど中間あたり、小名木川を渡る手前だった。慌てるのが嫌いな私は大慌てで木場方面に向かってダッシュしたが、運動不足の40代に1.5km走り続ける体力はない。早歩きをするのがせいぜいであった。
またスーからLINEが入る。ああ、もう到着してしまったのだろうかとスマホ画面を開いたところで、再び私の目は点になった。

「大幅に電車を乗り間違えてしまいました。戻って乗り換えるので、30分遅れそうです。先にお店に行ってください。」

…うそーん。なにこの偶然。一気に気が抜け、ノロノロペースに切り替わった。安堵しながらも、自身の失敗について考える。待ち合わせ時間とお店の予約時間を間違える、このカンチガイは有り得る気がする。問題は、その確認を前日にしていることだった。約束してから24時間たっていない内容を、こんなにキレイさっぱり忘れるものだろうか?健康診断の数値もマズいが、脳も相当きてるんじゃないのか?
老後まで行かずとも、近未来がこわい。

かくして私とスーは、18時にカマルプールの席で落ち合った。お互い大失敗を抱えた上で別々にやってきたにもかかわらず、私が5分早いだけだった。こんなところまで気が合う必要はホント無いのに。
そしてメニューを見て1分後には、それぞれの失敗のこともキレイさっぱり忘れてしまった。それでいい、南インドを味わうために集まったんだ我々は。

カマルラッシー(バラの香り)

カマルラッシー

インドカレーのお店ではお馴染みのラッシー。しかし、バラの香りがするものは初めてである。嗅いでもさほど感じなかった香りが、一口飲んだら一気に華開いた。高貴で豊かな香りが、体の内側から漂ってくる。気分はすっかりマハラジャの奥方になった。
執事よ、早く最初のごちそうを!

砂肝のコンフィ

砂肝のコンフィ

火を入れすぎると固くなってしまいがちな砂肝が、こんなにも柔らかいなんて。たくさんのスパイスで彩られた肉から、パンチがある刺激とともに肉汁があふれ出す。さっぱりしている部位なのに旨味をたっぷり感じられる。こんな砂肝の食べ方があるなんて。食欲が沸いてくる前菜だ。
メイドよ、早く次のごちそうを!

ブナオイスター

ブナオイスター

ブナとはインドで「炒める」という意味で、ブナオイスターは牡蠣のスパイス炒めのことになります。

ドラマ「孤独のグルメ」シーズン4、エピソード6より

たっぷりのオイルで調理された牡蠣。味はかなりスパイシーで、トウガラシの辛味もしっかり。それだけ力強い味付けなのに全然牡蠣が負けておらず、むしろ旨味を増幅させている気がする。風味づけのパクチーがまた、いい。
残ったオイルは後から来たイエローライスにかけて食べてしまった。マハラジャの奥方は行儀が悪い。
運転手よ、早く次のごちそうを!

ゴルゴンゾーラクルチャ

ゴルゴンゾーラクルチャ

ドラマをみて、どうしても食べたかった一品がこれだ。ゴルゴンゾーラとハチミツ。数多ある ベストマリアージュの中でも、この組み合わせはとびきりだ。シェフのサービス精神が詰め込まれた大量のチーズが、手に持った直後からあふれ出す。フォークでチーズの糸を絡めとりながら頬張れば、一気に広がるハチミツの甘みとブルーチーズの風味。ああ、幸せ!「死ぬなら今がいい」とスーに言ったら「私はもっといろいろ食べたい」とニコニコしながら返された。
庭師よ、早く次のごちそうを!

ラムミックス

ラムミックス

「当店一番人気」と書かれてあるのでオーダーしたが、満場一致で納得。これは、美味しい。2種類の味でラム肉を味わえる一皿で、色が濃いのが「クミン焼き」、白っぽいのが「王様のラム」だそうだ。緑色の付け合わせは特製の「フレッシュミントソース」だが、ミントが苦手な人でも大丈夫。スッとするのは一瞬だけで、バツグンにラム肉と合う。ただでさえ強いサイヤ人が、ミントソースをつけることでスーパーサイヤ人になる感じ。絶対つけたほうがいい。
番犬よ、早く次のごちそうを!

名物 鯖カレーとイエローライス

鯖カレーとイエローライス

鯖をカレーに入れる発想は日本には無いが、インドの家庭では一般的らしい。クリームなどは使っておらず、さらりとしていて、とても軽い。酸味と辛味の効いた南インド風のカレーだ。千切りしたショウガが入っているからか、日本食に通じるものがある。
そしてイエローライス付け合わせのピクルスがとてもよく合うこと!日本のカレーに福神つけが欲しいように、鯖カレーにはこのピクルスが欠かせない。
シェフよ、もうお腹いっぱい…。

カキチャーハン

カキチャーハン

40代の女2人には完全にキャパオーバーの量をすでに食しているのに、ここに来てご飯物を追加するという信じられない暴挙。誰か、止めて。
先ほどのイエローライスと違い、こちらは長米種だ。パラパラのご飯を炒めた美味しさは、他のものに変えがたい。たくさんのスパイスに負けず、主役の牡蠣がしっかり幅を聞かせている。お腹いっぱいなのに、別腹のスイーツではないのに、それでも食べずにいられない!
結局、完食したのであった。2人とも腹がどうかしている。

マサラチャイ

マサラチャイ

「美味しいものしか食べていない」状態で満腹に至る。これに勝る至福はあるだろうか。癒しのスパイスティーを飲みながらぼんやり考える。運ばれてくる前、仕上げに高いところから注いでくれたのが見えた。難しい技術だが、空気を含ませることで口当たりがまろやかになる効果があるらしい。口にしている飲み物は、幸福のひとときを優しく締めくくってくれている。

初めての南インドカレーを、スーも気に入ってくれたようだ。「美味しかったですねえ」とニコニコしている。あまりに幸せだったから動くのも答えるのも億劫になって、「脳ドッグを受けたほうが良いだろうか」とだけ、ふと思った。

お店について

店名
タンドールバル カマルプール木場店
住所
東京都江東区東陽3-20-9 鈴木ビル1F
アクセス
東京メトロ 東西線「木場駅」2出口より徒歩5分
東京メトロ 東西線「東陽町駅」2出口より徒歩6分
都営バス「東陽三丁目」下車、徒歩0分
営業時間
月~日曜日・祝日 11:30~14:30(L.O.14:00) 17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日
年末年始
TEL
03-5633-5966

インドについて

インドの位置

南アジアに位置し、インド半島の大半を領してインド洋に面しています。国土面積は日本の約8.7倍。首都はニューデリーです。

サフラン色は勇気・犠牲(ヒンズー教)、白は真理・平和、緑は公正・騎士道教(イスラム教)を表し、3色で国内諸宗教の調和を象徴しています。真ん中の紋様は古代インドのアショカ王の仏典結集の記念塔からとった法輪(チャクラ)です。

(株)学研研究社「世界の国旗ビジュアル大辞典」より引用